第6話 出張

出張

 

 

私の妻への不信感は、日々増加していく一方だった。妻の電話を聞いてしまった日からは、その事ばかりを考えてしまう。

 

妻は離婚しようとしているのだろうか…

 

そんな中、私は仕事で1ヵ月ほど出張へ行く事となった。出張の場所は遠く、およそ東京から鹿児島ほどの距離があった。正直、今の状態で家を1ヵ月も空けたくは無かったが仕事なので仕方がない。

 

私「1ヵ月出張に行くことになったけど…」

妻「え⁉そうなの⁉」

私「…?」

 

私は家の事や子どもの事など大丈夫だろうか?っという気持ちで妻に報告したつもりだったが…この驚き方に違和感があった。

 

妻「いつからいつまで⁉

私「次の休み明けから、たぶん1ヵ月だと思う」

妻「どうやって行くの?」

私「会社から新幹線代が支給されるから、それ…」

妻「それ使わなかったら得だよね?」

私「え?どうやって?」

妻「車で行ったら安いでしょ?」

 

 

私「え⁉車⁉交通費でるんだぞ?」

妻「勿体ないから車で行ったらいいじゃない」

私「車だってガソリン代とか高速代がかかるから、差し引きしたらそんなにだろ!」

妻「でも車の方が安いよね?ボーナスも前回より少なかったし」

 

私は妻の言葉に絶句した。
まったく予想していなかった言葉だった。心配してくれとまでは言わないが、出来れば気遣った言葉ぐらいは欲しかった…

 

「どこ行くのー?お土産買ってきてよー!」

心無しか子ども達の反応も冷たい気がした。

 

この時の心境は、なんとも言い表せない感じだった。妻への不信感、自分の居場所が無いよう思えた。四六時中モヤモヤして何事も手に付かない。こんな状況で出張…私は完全に孤立してしまう気がした。

 

 

 

 

結局私は車で行く事になった。
東京~鹿児島の距離を軽自動車で移動した。

 

1か月間の出張…

 

この時を境に状況はガラリと変わる事となる

妻への不信感

子ども達への違和感

自分の置かれている状況

 

 

すべてが終わった今の私が、この時の私に声をかけれるのなら『出張には行くな』と言うだろう

 

 

 

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