第11話 不在

不在

 

 

私が出張先から内緒で帰ってみると、
家には誰もいなかった…

 

私「今何してる?家に居るの?」

 

妻「は?当たり前じゃん」

 

 

 

私は今自宅に居る。
しかし電話先の妻も自宅に居ると言っている。

 

正直、今までは願いも込めて50%は信じていた。

 

あの電話は何かの聞き間違いだ!
妻に遊ぶ暇なんかない!
家族を裏切る訳がない…

 

でもたった今、自分が間違えていた事に気付いた。

 

妻の言葉に放心状態になった私は、適当に会話をして一旦電話を切った。何をどうしていいのか瞬時に考える事が出来ないと思ったからだ。電話を切ってから、悲しみのか怒りなのか…よく分からない精神状態で家の中をウロウロしながら考えた。

 

どこに居るんだ⁉

嘘をつく理由はなんだ?

 

 

人間とは不思議なもので、どんな状況でも自分の都合の良い様に考える生き物である。この状況を第三者が見ると間違いなく浮気、少なくとも何かやましい事があるのは疑いようがない。

しかしこの時の私は、怒りや悲しみに襲われている中で「友達の家かも…。私に嘘を付いたのは理由があるのかも」と妄想に近い希望を持っていた。

 

馬鹿じゃないの?

 

この記事を読んでいる人はそう思うだろう。私もそう思う。しかし、当事者であるこの時の私は違ったのだ。

 

もはや普通の精神状態ではいれなかった。無駄にウロウロし、物に当たってみたり落ち込んでみたり…。「どこで何をしているんだ⁉」これだけはどうにかして知りたい!実家、友人の家、妻が良そうな場所…私が思い当たる場所は数か所しかない!

 

絶対調べてやる

 

良くも悪くも私は3連休だ
時間は十分にあった

 

今は夜の9時…

 

遅かれ早かれ家には帰ってくる!それに子ども達を連れて行っているんだからそんな遅くはならないはずだ!ここまで来たんだ!2~3時間待つくらいなんてことはない。

 

私はギリギリ家の見える場所で、妻たちが帰ってきてもバレない所に身を隠した。

 

時間が経つのが遅い…

イライラを通り越しておかしくなりそうだ

 

1時間

 

 

2時間

 

 

3時間が経った

 

 

帰ってこない

 

もう0時を回っている。子どもと一緒に出掛けて、こんなに遅くなるだろうか?「帰ってくる」と決めつけて待っていた私は時間が経つにつれて、とても不安になっていた。

 

頭の中で勝手に嫁の浮気相手を想像したり、考えたくない事を妄想したりと…

 

 

 

結局1時になっても家族は帰ってこなかった。

 

 

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