第49話 してない

してない

 

 

 

次の日の朝、

 

妻に特に変わった様子は無い
子どももいるのだから当然か…

 

いつも通り自分で朝ごはんのパンを焼こうとキッチンへ行くと妻が話かけてきた!

 

妻「今日夜話あるから」

 

・・・・・なんとなく分かった。おそらく妻はあれから浮気相手(松原諒太)に相談したのはず。私が『浮気の真相を知っている』という事を、まったく想像していなかったのだろう。私は返事を返さず、朝食を辞めて仕事に行った

 

 

その夜、

 

 

カチャ…

 

子どもを寝かしつけたのか、妻が部屋に来た

何も言わず座る妻

 

私「で、離婚の条件決まった?」

妻「…親権はどうするつもり?」

私「いや俺はいいから自分がどう考えてるのか教えて」

 

今までとは違う
こっちの出かたを覗っているようだ

 

妻「条件は話し合って決めるものなんじゃないの?私が言った条件を全て飲んでくれるの!?」

私「・・・条件を飲む飲まないの話じゃなくてさ、」

妻「親権は貰う!養育費も貰う!家はいらない!これでいい!?」

 

急にスイッチが入った

 

私「家はいらないってどーすんの?」

妻「住むんじゃないの?」

私「俺もいらないよ。親権取られるなら俺は一人…一軒家なんてあっても仕方ないし」

妻「どうすんの?売るの?」

私「2人ともいらないって言うなら売るしかないだろ」

妻「残ったローンは?」

私「単純に半分ずつだろうね」

妻「はッ!?あり得ないから!子ども3人育てながらローンなんて払える訳ないでしょ!‼なに考えてんの?少しはこっちの生活の事も考えてよ‼」

 

妻は昔から、思い通りにならない時は声を荒げる癖がある。おそらく家は私が引き取ると予想していたのだろう。しかし冷静に話そうと思っていた私も、妻の自分勝手な言動にイライラしてきた

 

私「お前は俺の事考えてくれた事あるのか!?」

妻「あ?なに?」

私「お前は俺の事を少しでも考えてくれてるのか!?無視して、ご飯はない、俺だけ家族から除け者にしといてお前の生活を考えろって?」

妻「は!?・・・なにが!?」

 

この「なにが?」も困ったときの口癖だ
この時私は、思ったより妻が何も考えずに行動していた事に気付いた

 

私「まず生活出来ないって…そんな事も考えずに離婚しようとしてたの?」

妻「家はそっちが住むと思って」

 

妻は離婚を、自分たちがこの家を出て新生活を始めるだけだと考えていたようだ。そんな浅はかな考えで行動していたのか…私は妻を過大評価していた

 

私「ふーん・・・で、男の事はどうすんの?」

 

ここで肝心な事を切り出してみた
昨夜、浮気がバレていた事を妻は間違いなく相談したはず…

 

妻「男って会社の人の事?」

私「松原諒太って男だよ」

妻「だからただの会社の人だから。なんで松原さんと私が浮気してるってなってんの?証拠でもあるの?」

 

あぁ、なるほど…素直に認めてそれを踏まえた条件を出してくるのかと思っていた。

 

しかし違った

 

最後までしらを切るつもりらしい…。私が証拠を突き付けてられていないからか、どちらにせよ松原諒太と相談した結果なのだろう。期待してしまっていたので少しガッカリしてしまった

 

私「おれ、、、もう1年以上悩んで考えてきたからさ…今さら言い争いしたくないんだよね。正直もう疲れたし自分の中で吹っ切れた部分もあるから、ちゃんと認めてそれなりの謝罪するならって思ってる」

 

妻「・・・な、なにそれ」

 

妻も不貞行為を行った側のペナルティは承知しているはず…。私のちょっとした甘い言葉に、妻は気持ちが揺らいだ感じだった

 

私「おれも離婚するのに揉めたくないと思ってるけど納得いかない場合、話は別…。時間はかなりあったから、離婚に関しても調べてそれなりに知ってるつもりだから。・・・最後に聞くけど、浮気してるだろ?

 

正直に言うと、早くこの環境から抜け出したい
『吹っ切れた』という言葉の中にはそれも含まれていた。1年以上耐えてやっとこの気持ちになれた今・・・気持ちが変わる前に終わらせて1秒でも早く抜け出したい…

この場所に長く居てしまうと、気を抜いた瞬間また地獄にはまってしまう気がして…

 

 

 

妻「・・・・・・してない。」

 

 

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