第29話 居場所

居場所

 

 

 

「ラーメンでも食べれば?」

 

ご飯など喉を通るわけが無い

妻たちが帰宅したのは20時過ぎだった
参観日が終わったのは14時過ぎ…

 

 

次女「ばぁばの家に行ってきたよ」

妻の実家に行っていたらしい。さすがに笑顔で「おかえり」とは言えない。黙ってテレビを見て、妻はもちろん子どもにも目を向けなかった

妻はキッチンかで片付けや明日の支度。長女・次女は明日の振替休日に浮かれている。ハルトは帰りの車で寝たようでもう寝室にいる

 

長女「明日昼から○○ちゃん家で遊ぶから~」

妻「え⁉せっかくお母さん仕事休みにしてもらったのに!?」

長女「約束してたんだよー笑」

妻「じゃ~レイナとどっかお出掛けしよ~っと♪」

次女「やったー!」

 

後ろから楽しそうな会話が聞こえてくる…私はその方向を見ることが出来なかった同じリビングで数メートルしか離れていないはずなのに、まるで別世界のように感じた

 

 

妻たちが2階へ上がっていった。
最後まで私は家族の方を見れなかった…そして誰も話しかけてこなかった

 

まるで置き物

 

テレビの前に置かれてる置き物だった

 

 

惨めだ。なんで…なにがいけない?父親が娘の参観日に行ってはいけないのか?私を置いて外食してきた家族を笑顔で迎えなかったから?出張中の出来事を追及したから?

 

『参観日の話をして笑い合う』以前は当たり前だった家族の姿が、今は夢物語のように感じる

 

この時、妻の事ばかり気にしていた私は『長女・次女』の変化に気付きもしなかった

 

 

~次の日の朝~

 

「いってきます…」

 

休みなのでみんな寝ている。私は返事が返ってこないのは分かっていたが、小さな声で呟いて仕事に行った

 

仕事中考えていた事・・・それは「帰ったら家族はいるのか」だった。異常なのは分かっている!しかし考えてしまう。浮気なんかは二の次…自分の居場所(家族)があるのかが心配で仕方なかった

 

 

 

 

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