第26話 疑心暗鬼

疑心暗鬼

 

 

私には妻がなぜこんなにも怒っているのか分からなかった。
こっちから謝罪しているのに…もしかして、

 

 

本当に浮気していなかったのか…?

 

 

 

普通の人なら『そんな訳ない』と思うだろう。すべてが終わった今現在の私もそう思う。男といる現場を目撃し、音信不通になり嘘をついている!これだけでも疑う余地はない

 

しかし、この時私は『もしかして、』と思ってしまったのだ!妻の変化のない態度や関係修復を望むあまり、冷静に考える事が出来なくなっていた

 

 

 

頭では「冷静にならなければ」と分かっている

 

でも出来なかった。

 

 

全てが初めての経験で、予想もしていなかった事が毎日のように起こる。どう対処すればいいのか?なにが正解なのか?妻という当たり前に信じてきっていた人に裏切られたことで、正常に考えられなかった

 

 

あの日の男はもしかしてただの知り合い…だろうか。なにかの作業を手伝ってもらう為に早朝から一緒に動いていたのでは?私のいきなりの登場に驚いて逃げたとか?子ども達は誰かの家に泊まっていたのか?妻が怒っているのは誤解した事に対してなのでは…

 

 

本当にバカだ

 

 

 

一方、妻の態度は徹底していた

 

 

どんな話題も無視。必要な会話では返事を一言…。2人きりの時はもちろん、人前だろうと子どもの前だろうと徹底して私を無視した。もちろん関係を修復したいのでいろんな手段を試みたが、まったく意味がない。妻は目を合わせようともしなかった

 

 

 

ある日曜日、朝から子ども達が学校に行く支度をしていた。

 

私「あれ、日曜なのにどこ行くの?」

次女「今日参観日だよ!」

私「え⁉そうなの?」

 

私は咄嗟に妻の方へ視線を向けた

 

私「今日日曜参観なの?」

妻「・・・・・」

私「ねぇ!今日って日曜参観なのって!」

妻「・・・そうなんじゃないの」

 

妻は耳を澄まさないと聞こえないような声で答えた
私は次女に視線を戻し喋った

 

私「パパ休みだから行こっかな~♪」

妻「来ないでいいから!

 

妻はいきなり大きな声をあげた

 

私「え⁉・・・」

 

子ども達も固まっていた
長女だけは何喰わぬ顔

 

妻は2階へと上がっていった。私は子どもの目を気にして、ふざけて長男とじゃれる振りをした

 

「ママ怖いな~!逃げろ~!パパは逃げるぞ~」

 

 

内心は穏やかでは無かったが、こうするしかなかった。とても虚しかった
妻は2階から降りてこないので、私が子ども達を見送った。

 

妻は2階、私はリビングの状態で数時間…

 

タン、タン、タン、タン・・・

 

 

メイクをした妻が2階から降りてきた。私には見向きもせず、早々と着替えて日曜参観へ行こうとする妻を呼び止めた

 

私「どういうこと?なんで俺が行ったらダメなんだ!?」

妻「・・・・・」

 

玄関に向かい靴を履こうとする妻

 

私「おい!なんで無視なんだ!」

妻「行きたいなら勝手に行けば?まじ話かけて来ないで」

 

バァン!

 

玄関のドアを力いっぱい閉めて行ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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