第17話 突然

突然

 

 

1ヵ月の出張が終わる

妻どころか子ども達の居場所さえ分からない
連絡も取れないこの状況…

 

あの日見た男は一体何者なのか

 

 

私は今起きているこの状況が今だに信じられなかった。何日経っても「もしかしたら夢なのでは?ドッキリ?」と考えてしまう

 

出張が終わる私の為に送別会を開いてくれるという話になっていたが、適当に理由をつけて断った。今は到底そんな気分になれない。連休で内緒で帰省したあの日から、仕事で何をして誰と何を話したか…あまり記憶にない。まるで抜け殻のように過ごしていたと思う。

 

 

「大川さん!本当に大丈夫ですか?」

出張先での最後の日、同僚Aが心配して様子で話しかけてきた。同僚Aは雄一妻の事を相談した人だが、今は会いたくなかった。

「なにが!?全然大丈夫だよ!」

最低限の会話を交わして、そそくさと同僚あの前から立ち去った

 

お金まで借りておいて本当に最低だ。しかし、この時は本当に無理だった

 

出来れば布団にくるまって誰にも会わず現実逃避したい中、振り絞って仕事をしている状態だったので、愛想を振りまいて他人と話す事は想像以上に苦痛だった

 

相談してみればいいのでは?っと思うだろうが、それは違う!内容が内容だからなのか、プライバートすぎるからなのか、精神的な問題なのかは分からないが人に相談する気になれない。これは体験した人にしか分からないと思う

 

荷物を整理して車に積んだ
「帰るのはいいが、かえってどうなるんだろうか」

まったく知らない場所に行く気持ちだった。

 

「また長時間の運転か」

 

車のエンジンをかけて走り始めた…

 

 

その時!

 

PULLLLLL…PULLLLL…

 

助手席に置いていたスマホが鳴った。誰だろう

 

【ゆうな】

 

!?!?!?!?!?!?!?

 

着信画面には妻の名前!

 

いきなりの出来事だった
すぐにハザードをつけ、車を止めた

 

 

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