第16話 絶望

絶望

 

 

「どうでした!?何か掴めましたか!?」

 

出張先へ戻った私に一目散に声をかけてきたのは、相談にのってくれて交通費まで貸してくれた同僚Aだった。

 

同僚A「大川さん!どうでした!?収穫はありましたか?」

 

私「いや……特になにも…」

 

同僚Aは、今の家族の状態を相談した唯一の人物だし、お金まで貸してくれたのは本当にありがたいと思っている。心配してくれていると分かってはいるが、私はそっけない態度しか取れなかった。

 

この時、私の精神状態は限界だった。
男を実際に目撃して妻とは連絡も取れない
子どもたちの事も分からない
どこで何をしているのかさえ・・・

 

 

 

出張先に戻ったが、仕事など出来る訳が無かった。情緒が不安定で、ボーっと抜け殻状態の時もあればイライラしてどうしようもない時もある。

 

もちろん何もしなかった訳ではない!

 

嫁に電話しても繋がる事は無い。おそらく着信拒否に設定しているのだろう。怒りで何度スマホを破壊しそうになった事か…

 

私の親にも事情は話さず聞いてみた。
私「ところで最近子ども達は遊びに来た?」
母「いや~、最近は来てないねぇ。ゆうなちゃん(嫁)も見ないねぇ」

 

義母にも聞いた。友人にも手当たり次第に聞いて回ったが、何も掴めなかった。

 

私はこの時、意地を張って誰にも事情を説明しなかった。安いプライドが邪魔をして、誰にも相談する事が出来なかったのだ。

 

 

毎日がとても長く感じた

 

一人で居たくないが、誰とも話たりしたくない。仕事が終わっても寝れない、お酒を飲んでも酔えない、食欲もない…

 

一体私が何をしたんだろうか

 

思い返してみても何も思い当たる事がない

 

結婚して子どもが生まれて、
一生懸命に働いてきた

 

小遣いも少なく趣味も辞めた。他の家庭の旦那さん達と比べても明らかに不自由だ。しかし私は一切文句など言ったことはない!別に不満が無かったというのもあるが、家族の為に生きてきた!

 

 

なのになぜ…

 

 

 

そうこうしている内に、
ある時が近づいてきた。

 

 

出張の終わりだ

 

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