第60話 父親

父親

 

 

「本当の父親じゃないって言った…」

「・・・・・?」

言葉が出てこなかった

「ほんとに、、、ごめん。」

 

予想をはるかに超えた…妻の言葉だった。私は勝手に『妻が私を無視するように言っている』と決めつけていた

 

「え…?どういう事!?おれと別れる為に!?」

「…うーん、、うん。」

「どういう事!?それって別れるのに必要!?」

 

理解出来なかった
なぜそんな事をする必要があるのか
なぜそんな事が出来るのか

 

「ごめん」

「いや、ごめんとかじゃなくて…。意味わかんない」

・・・・・・・・
妻も私も黙る

 

信じられない。この1年間の出来事が頭の中に流れている。あの時も…あの時も…子ども達は私の事を父親ではないと思って…イコールそれ以前も子ども達の中で父親ではない…すべてが本当の父親でない人との思い出になってしまった

目の前にいる女が、自分の妻だとは思えなかった。○したい!○してやりたい‼法が無いのなら、今すぐにこの女を○したいと思った

 

 

他にも聞きたい事はあったが、すべて消えてしまった。「無視していた事」や「子ども達も居なかった事」など聞こうとしていたが、もはやどうでも良くなってしまった…

「ちょっと外の空気吸ってくる」

 

その場を離れないと手を出してしまいそうだった。ムカつくとかそういうレベルのものではない。人として…母親として…

 

衝撃が大きすぎてまともに考える事が出来なかった。落ち着こうと深呼吸してみたりウロウロしてみたり…。頭の中でいろんな物がグルグル回っている感覚だった

 

『もういい・・・さっさと今後の話をして終わろう』と家の中に戻った

リビングに入ると、悪びれた顔をした妻が座っている。真意は分からないが私には芝居としか思えない。そして今後の話を切り出そうとした時、咄嗟にある事を思った‼そしてそれは口から言葉として発せられた

 

 

「子どもは…

 

本当に…

 

おれの子だよね?」

 

 

 

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