変化
私の布団が廊下に出されていた
「別の部屋で寝て!」妻からの無言のメッセージに、私は何も言わず使っていない子どもの部屋に布団を運んだ。
なんとも言えない感情で朝まで寝れなかった。イライラしているのか不安なのか自分でもよく分からなかったが、この問題が解決しない事だけは分かった。
寝れなかった私は、いつもより早く仕事へ行った。まだ妻も起きていなかったが、昨夜の事があるので顔を合わせずに済んだのは良かった
仕事へ向かっている時も、休憩中もずっと考えていた…
時間がそうさせたのか分からないが、昼を過ぎた頃から私の中で少し変化があった
『このままでは何も解決しない。関係は悪化するだけだ』
私はうっすらと、このままではいけない!っと考えるようになった。
妻の性格上、絶対に非を認めないはず。私も認めさせる証拠を持っていない。という事は、このまま続けても同じ事の言い合い…関係は悪くなる一方だ
もちろん腸が煮えくり返るほど悔しい
実際に男といる現場を目撃して、無茶な嘘をつき通されている
しかし私は、家族が壊れてしまう事の方が怖かった。このままでは間違いなく最悪の結果になってしまう。そんな事になるのなら・・・
帰ったら謝ってみよう
仕事が終わり、私は帰り道にあるケーキ屋で家族分のシュークリームを買った
私「ただいま」
なにそれーーー!?ケーキ?なんでー!?
次女と長男が、すぐに私が持っていたシュークリームを奪っていった
私「ご飯食べてからにしなよー」
私はキッチンにいる妻の元へ
私「・・・昨日は悪かった。ごめん」
妻「・・・何が?」
私「言い過ぎたかなって、、もうあの事は言わないから」
妻「なに?子どもに聞くんじゃなかったの?」
私「そんな事しないし、勢いで言ってしまった感じだったから、」
妻「・・・・・・」
妻は私と目を合わせようとしない
子ども達がいるので大きな声では喋れない。私はずっと小声で喋っていたので、聞こえるように妻に近づいた、その時!
妻「ちょっと!!近寄らないでよッ」
いきなりの妻の声に、シュークリームにはしゃいでいた子ども達も驚いている
私「え?いや、そんなじゃなくて、
妻「もうあっち行ってよ!邪魔!」
いきなりの事で私は固まってしまった。が、子ども達の目もあるので平然を装って
私「・・・シュークリーム食べてね」
これが唯一口から出た精一杯の言葉だった
妻「いらない」
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